2010年10月04日
山内盛彬の『琉球舞踊史』から
交遊(あやぐ)
【解説】あやぐとは宮古のあーぐ(歌謡)から来た語が曲名となっている。宮古節は宮古のくいちゃーあーぐと曲が似ている。その詞は宮古で沖縄のことを詠んだ歌である。交遊とかくのは男女共踊のことである。従来の舞踊界ではソロが基になっていたが、仲毛時代に玉城盛重優の手で初めて、男衆と女衆の組み合わせ群舞を創作して、センセーションをまき起こした。この群舞は胴や足の動きは、宮古のくいちゃーの型の変化に、古典しゅどん踊の手が含まれている。
玉城優のこの曲の振付についてのエピソードがある。ある日優が主家の小禄御殿に行った時、接司は数多の郎党を引きつれて辻に宴会に行く所であったので、優も伴われるものだと早合点していた所、意外にも接司は優に「君は留守をして明晩上演したいアヤグを今晩中で振付けをやってくれ」と命じ、一同は出かけて一人取り残された。優は自分のふがいなさを情けなく思ったのであったが、しかし接司も自分の腕を認めてくれたためだと思い直して「よしうまく作っておいてけぼりのあだを討ってやろう」と決心した。そして体形についてはくいちゃー、ポーズについてはしゆどぅんの枕手を連想しながら立ったり座ったり、また庭から白黒の小石を拾ってきて並べて男女の組み合わせ体形を工夫した。そして皆が一晩遊んで帰るまでにはたいがいでき上がったので、試踊したら、連中の酔も覚めるほど感激したという。こんな天才がいてこそ画期的の大業が成就されたのであった。
序に宮古の舞踊事情を話そう。宮古のあーぐとよんしー・くいちゃーあーぐとは歌謡の総杯である。よんしーとは、歌は国頭捌理のような木遣式で舞踊は体育ダンス式である。くいちゃーの語義は“声合わせ”ということであり、あーぐを歌ってそれに手拍子、足拍子をそろえての団体舞踊である。故にくいちゃーあーぐとはくいちゃーに用いられる舞踊曲のことである。
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